第31回単独研究会(SWoPP2021)

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会 第31回研究会

日本応用数理学会「行列・固有値問題の解法とその応用」研究部会では,第31回研究会を開催致します.本研究会は「2021年並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ (SWoPP2021)」において,電子情報通信学会,情報処理学会の6研究会との連携により開催されます.

  • 開催日: 2021年7月20日(火) (SWoPP2021の会期は7月19日~21日)
  • 会場: 完全オンライン開催
  • SWoPP2021のWebページ:https://sites.google.com/site/swoppweb/swopp2021
  • 本研究会は,JSIAM Letters の投稿条件を満たす研究会です.
  • 1件当たりの発表時間は30分(質疑応答込み)です(予定).

参加登録フォーム

氏名【必須】

所属【必須】

メールアドレス【必須】


プログラム

7月20日(火) 会場:オンライン

セッション1:線形計算・アプリケーション 13:30 – 15:00 座長:保國惠一(筑波大学)
  • 講演1(13:30 – 14:00)
    悪条件で密な縦長行列向けの前処理行列の数値的比較について
    ○南畑 淳史(関西国際大学), 尾崎 克久(芝浦工業大学), 荻田 武史(東京女子大学), 大石 進一(早稲田大学)
    概要: 本発表では悪条件で密な縦長行列向けの三角行列の構造を持つ前処理行列を検討する。関連する研究として、非常に縦長な行列をQR分解する方法がいくつか提案されている。1つ目は深谷らにより提案されたCholesky分解やShifted Cholesky分解を用いた解法群であり、2つ目は寺尾らにより提案されたLU分解を経由したQR分解である。これらはCholesky分解、Shifted Cholesky分解またはLU分解を前処理として、QR分解を作成する解法として考えることができる。本発表ではこれら以外の三角行列の構造を持つ前処理行列を提案し、数値実験よりその有効性を検討する。
  • 講演2(14:00 – 14:30)
    格子H行列とFDP法による3D弾性波動伝播の高速計算
    ○伊田明弘(海洋研究開発機構)、安藤亮輔(東京大学)、佐藤大祐(京都大学)、小澤創(東京大学)、星野哲也(東京大学)
    概要: 格子H行列法は低ランク構造行列法の最新手法であり、境界要素解析(時間項を含まない空間領域の積分方程式法)の計算量を、従来のO(N^2)からO(N log N)に低減させることができる。一方、FDP法は近年提案された時空間領域積分方程式法に対する高速計算手法であり、計算量を従来のO(N^4)からO(N^3)に低減させることができる。本研究では、両者を組み合わせることにより、時空間領域積分方程式法を演算量O(N^2 log N)で実行できる手法を提案し、3D弾性波動伝播解析に適用する。
  • 講演3(14:30 – 15:00)
    テイラー展開に基づく行列指数関数計算の誤差解析
    ○山本有作(電気通信大学),工藤周平(電気通信大学),星健夫(鳥取大学)
    概要: 行列指数関数exp(A)は,微分方程式の数値解法をはじめ,科学技術計算の様々な分野に現れる基本的な行列関数である.Aのノルムが小さい場合,exp(A)の計算にはテイラー展開を使うのが効率的である.本発表では,打切り誤差と丸め誤差の両方を考慮した,テイラー展開に基づく行列指数関数計算の誤差解析結果を紹介し,混合精度演算の利用による高速化の可能性についても触れる.

セッション2:固有値・特異値問題 15:15 – 16:45 座長:深谷猛(北海道大学)
  • 講演4(15:15 – 15:45)
    無限次元固有値問題に対する複素モーメント型解法
    ○今倉暁、保國惠一、高安亮紀(筑波大学)
    概要: 本講演では、微分作用素の無限次元固有値問題の複素平面上のある指定領域内部にある固有値と対応する固有関数を求める複素モーメント型固有値解法を提案する。提案法は、大規模行列固有値問題向けの並列解法である複素モーメント型固有値解法の無限次元固有値問題への拡張であり、高い並列性能を持つことが期待される。数値実験により計算精度および計算時間の観点で提案法の有効性を評価する。
  • 講演5(15:45 – 16:15)
    高速かつ高精度な行列積計算を用いた固有値と特異値の計算法
    ○尾崎 克久(芝浦工業大学),荻田 武史(東京女子大学),椋木 大地(理化学研究所)
    概要: 行列の固有値や特異値は,固有ベクトルや特異ベクトルから計算できる.本発表では,アーキテクチャに最適化されたBLASの行列積を複数回計算することにより,行列の固有値や特異値を求める方法を紹介する.計算対象としては,標準固有値問題(対称・非対称),一般化固有値問題,特異値分解を扱う.少ない行列積の回数で固有値や特異値を高精度に求めることができることをCPU・GPUを用いた数値実験により示す.
  • 講演6(16:15 – 16:45)
    フィルタを用いた対角化法についての改良の試み
    ○村上弘(東京都立大学)
    概要: 実対称定値一般固有値問題をフィルタを用いて解く場合について、いくつかの改良を試みる。たとえば、フィルタがレゾルベントの作用の多項式である場合に、伝達関数の遠方での値を零にする修正を加えてみる。また、多項式型のフィルタを作用させる場合に、その途中でベクトルの組の再直交化をときどき行えるようにすることを試みる。

セッション3:高性能計算 17:00 – 18:00 座長:多田野寛人(筑波大学)
  • 講演7(17:00 – 17:30)
    Wisteria/BDEC-01(Odyssey)における大規模前処理付き反復法ソルバーの性能評価
    ○中島研吾(東京大学情報基盤センター),河合直聡(東京大学情報基盤センター)
    概要: 2021年5月14日運用を開始したWisteria/BDEC-01(東京大学情報基盤センター)のうち,シミュレーションノード群(Odyssey)は富士通 PRIMEHPC FX1000(A64FX)7,680ノードから構成されている。本発表では,Wisteria/BDEC-01(Odyssey)の1,000ノード以上を利用して実施した,様々な大規模前処理付き並列反復法ソルバーの性能評価について紹介する。
  • 講演8(17:30 – 18:00)
    最近のマルチコアCPU環境における疎行列ベクトル積の性能に関する一考察
    ○深谷猛(北大)、岩下武史(北大)、中島浩(京大)
    概要: 最近の一般的なマルチコアCPU環境で実施した、疎行列ベクトル積に関する実験結果を報告する。ステンシル構造を持つ疎行列を対象として、行列サイズ・格納形式・SIMDの有無等の条件が異なる場合の性能を測定し、その結果から性能に寄与する要因を考察する。また、得られた知見に基づいて、一般的な疎行列の場合についても議論を行う。